2022.06.05

コラム

先日、池袋スポーツセンターの「スポーツドクターによる無料健康相談」に相談医として出動しました。隔週土曜日に行われている個別健康相談です。コロナ禍で一時的に中断されていた時期もありましたが、現在再開されています。

健康スポーツ医(日本医師会認定)活動の一つとして数年前から参加しており、様々なご相談があります。

  • ・健康診断でメタボリック症候群と指摘され運動をすすめられたけど、何から取り組んだらよいか
  • ・学生の時は運動をしていたが、久しぶりに再開するので心配
  • ・心臓の治療をうけて薬を飲んでいる。運動をしてもよいのだろうか・・・

今回は運動と健康についてのお話です。

健康を手に入れるための運動とは?

ところで、健康を手に入れるための運動を行うにはどんなことに気を付けたらよいでしょうか。ポイントを3つ挙げます。

  • 1.目的に合った運動強度
  • 2.継続可能な運動頻度
  • 3.何よりも安全に

順番に解説していきたいと思います。

目的に合った運動強度

例えば、メタボリック症候群や高血圧、糖尿病などの生活習慣病改善を目的とするならば、有酸素運動を中心とした運動をお勧めします。「息がはずむ程度の運動」とよく表現されています。ボルグスケールという目安を利用したり、脈拍数で確認することもできます。

ボルグスケール

怪我をした後のリハビリには受傷部位や重症度によって、実施しやすい運動の種類と強度があります。治療を受けている整形外科などでの確認が重要です。

持続可能な運動頻度

一般的に筋トレは週1~3回程度、有酸素運動は30分以上の運動を週3回程度が良いといわれます。

しかし、仕事や家事におわれそこまでできない・・という方も少なくありません。健康を手に入れるための運動は継続していくことが大切です。

そんな方には「+10(プラステン):今より10分多く体を動かそう」をメインメッセージとしたアクティブガイドをご紹介しています。

今より10分一日に動く時間を増やす「+10(プラステン)」によって「死亡のリスクを2.8%」「生活習慣病発症を3.6%」「ガン発症を3.2%」「ロコモ・認知症の発症を8.8%」低下させることが可能であるという研究もあります。

学生時代に夢中になったスポーツ、楽しい仲間とできる運動、お気に入りのウエアなど長く運動を続けられる工夫も取り入れたいものです。

何よりも安全に

運動で体調を崩したり、怪我をしてしまわないように、運動を始める前によく確認しましょう。

薬の治療をうけているのであれば、体の状態をよく知っている担当医に運動の可否や注意点について確認しましょう。

コントロールされていない重症高血圧や重症糖尿病、重症弁膜症、眼底出血、急性感染症などは運動療法の禁忌、つまり「危険なので実施不可」です。

当院でも必要な方にはメディカルチェックを行っておりますので、お気軽にご相談ください。

医師説明