2021.09.04

コラム

最近よくある受診のお問い合わせです。

「コロナワクチン打った後から胸が痛くなって・・・」

「ワクチン副反応の心筋炎じゃないかと思うと心配で・・・」

心筋炎・心膜炎はどのように診断するの?

心筋炎・心膜炎は循環器内科において症状、心電図、血液検査などで診断します。

細菌やウィルスなどの感染によって心臓の筋肉に急激に炎症がおきることを急性心筋炎といいます。心膜炎は炎症が心膜(心臓周囲の膜)に起きています。

当院でも心電図、血液検査等を行い診察を行っています。

一般内科

ワクチン接種後の心筋炎・心膜炎はよくあることなの?怖くて接種をやめようかと・・・

ワクチン後の心筋炎・心膜炎については、最近よく尋ねられます。以下のようにお答えしています。

急性心筋炎・心膜炎が新型コロナワクチン接種後に発症する頻度は極めてまれ軽症の人が多い

ワクチン接種後の心筋炎・心膜炎は極めてまれであるといくつかの研究で明らかになってきています。例えば500万人以上が接種済みのイスラエルでは、心筋炎の報告は275人(0.006%)でした。多くは2回目の接種後で主に16-19歳の若い男性にみられていると報告されています。アメリカからの報告ではワクチン接種後に心筋炎・心膜炎を発症した人の多くが軽症でほとんど完全に回復しているようです。

新型コロナウィルスに感染したことで心筋炎・心膜炎をおこすことがある(若年者)

新型コロナウィルスに感染したことで急性心筋炎を合併することがあります。新型コロナウィルスに感染した1587人(平均年齢19歳:米国アスリート)のうち37人(2.3%)が無症状または軽症の心筋炎を認めたという報告もあります。

ワクチン接種で感染予防・重症化予防を図るメリットは、ワクチン接種後の心筋炎・心膜炎の懸念より圧倒的に大きいといわれています

ワクチン接種後の心筋炎(頻度0.006%) と 新型コロナ感染による心筋炎(頻度2.3% 無症状含む)。

単純に心筋炎発症頻度を比べただけでもメリットはありそうに思えます。

もちろん新型コロナ感染症による症状・合併症は心筋炎だけではありません。感染した場合の回復までの辛い症状、肺炎などの生命の危機について考えるとワクチン接種による予防効果は大いなるメリットと考えられます。

ワクチン接種後に胸痛などがあり心筋炎についてご心配な方はどうぞご受診下さい

現在、感染症予防対策のため初診は予約制になっております。

受診希望の方は当院受付までご連絡ください。

問診、診断

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