2020.02.07

コラム

心筋梗塞や狭心症のためカテーテル治療を循環器専門病院で受けた後、状態が安定してくると「かかりつけ医」での継続治療に引き継がれることが最近増えてきました。

大切な心臓の治療をしてもらった病院から離れることには不安を覚える方もいらっしゃるかもしれません。国が進めている「地域医療体制の機能分化と連携」の取り組みの1つで、高度医療が必要な時は基幹病院が、状態が落ち着いているときはかかりつけ医がその治療を担当する仕組みです。

カテーテル治療後状態が落ち着く時期は退院2週間後から数年後までその方の状態により様々です。心臓治療を行った基幹病院の主治医により判断されます。

かかりつけ医ではどのような治療となるのでしょうか?

かかりつけ医では主に「安定した状態を維持すること」、「再発を予防すること」の2つを主な目標として継続治療をしていきます。

「安定した状態を維持する」治療とは?

状態に応じて適切な内服薬を継続します。下記のような内服薬が中心となります。

  • 血液サラサラの薬
    抗血小板剤または抗凝固薬
  • 心保護作用のある薬
    ARB、β遮断薬などの降圧剤。心保護作用のため高血圧でなくとも必要となることがあります。
  • 心電図検査、胸部レントゲン、心臓超音波検査
    症状に合わせて定期的に心電図、心臓超音波検査で心臓の状態を確認します。

「再発を予防する」治療とは?

冠動脈危険因子の管理です。糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満、喫煙の管理はは新たな冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)を予防します。

  • 食事療法
  • 適切な運動習慣の獲得
  • 必要十分な薬物療法
  • 禁煙

ご自宅近くまたは勤務地近くで、無理なく安心して通院できる「かかりつけ医」を探すことが大切です。最近はインターネットでの医療機関検索システムもよく活用されています。

また、現在通院している専門病院でも紹介先かかりつけ医を把握していることが多いので、一度相談してみてはいかがでしょうか。

参考資料
1)慢性冠動脈疾患診断ガイドライン(2018年改訂版) JCS 2018 Guideline on Diagnosis of Chronic Coronary Heart Diseases
2)「医療提供体制のあり方」日本医師会・四病院団体協議会合同提言(平成25年8月8日)