2019.11.11

Q&A

インフルエンザワクチン予防接種の時期になり、当院でも予防接種に訪れる方が多くなってきました。今回はよくご質問をうけるインフルエンザ予防接種についてのあれこれをご紹介します。
(当院の予防接種についてはこちらから)

Q.インフルエンザはどんな病気?どうして予防するの?

A.季節性インフルエンザは、わが国では通常、初冬から春先にかけて毎年流行し、多くは自然に回復する疾患ですが、肺炎、気管支炎のほか、脳症、心筋炎等の合併症を併発して、重症化し生命に危険がおよぶ場合もあります。

Q.予防接種は効果があるの?

A.インフルエンザワクチンの予防接種には、発症をある程度予防する効果と重症化を予防する効果があります。

ワクチンの効果

インフルエンザワクチンは、インフルエンザウイルスの感染やインフルエンザの発症そのものを完全には防御できませんが、重症化や合併症の発生を予防する効果は証明されており予防接種の主目的は重症化予防と考えられています。65 歳以上の高齢者福祉施設に入所している高齢者については 34 ~ 55%の発病を阻止し、 82%の死亡を阻止する効果があったとの報告があります。

Q.インフルエンザの予防接種は何回するの?

A.13歳以上の方は通常1シーズンに1回接種します。

インフルエンザワクチン接種回数について

65 歳以上および基礎疾患を有する60~64 歳に対するインフルエンザワクチン定期接種(公費助成あり)は1シーズンに1回接種です。

添付文書上では、生後 6 か月以上 13 歳未満は 2 回、13 歳以上は 1 回又は 2 回接種と記載されていますが、2009年厚生労働省の検討で、13 歳以上(含む妊婦)は原則1 回接種とされました。その理由として、1 回のワクチン接種で国際的な評価基準を上回る十分な抗体価が認められたこと、ワクチン1 回接種と 2 回接種の間でインフルエンザに対する抗体価上昇に差がみられなかったことが挙げられています。

基礎疾患(慢性疾患)のあり著しく免疫が抑制されている状態にあると考えられる者等は、医師の判断で2回接種となる場合があります。ただし年少児では1回接種では十分な免疫が得られないため、13 歳未満は2回接種が必要です。

Q.いつ頃ワクチン接種をしたらいいですか?

A.10月~12月中旬までに接種することをお勧めしています。

インフルエンザワクチンの効果的な接種時期

インフルエンザウイルスは毎年のように変異しながら流行を繰り返しています。これに対応するため、原則的には予防接種は毎年必要です。

従来の季節性インフルエンザの国内流行期が通常12月末から翌年3月頃ですので、これに備えて効果的な接種は、遅くとも12月中旬までには接種が終了するような接種計画を組むことが大切です。

例年10 月初めからそのシーズンのワクチンが接種できるようになります。

Q.ワクチンの効果はどのくらい続くのでしょうか?早めに接種したら途中で効果がなくなってしまうと思って不安です

A.一般的にワクチンの予防効果が期待できるのは接種後2週間から5か月程度です。

インフルエンザワクチンの効果持続期間

過去のインフルエンザウイルス感染や予防接種実施状況等により免疫環境が異なり、免疫の持続についても大きく個人差があります。

2回接種の場合で接種1~2週後に抗体が上昇し始め、2 回目の接種1か月後までにはピークに達し、3~4か月後には徐々に低下傾向を示したという調査があります。

したがって、ワクチンの予防効果が期待できるのは接種後2 週から5か月程度と考えるのが一般的です。なお、接種から5か月経つと、免疫が全く消えてしまうわけではないといわれています。

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参考資料
1)予防接種ガイドライン等検討委員会 : インフルエンザ・肺炎球菌感染症(B類疾病)予防接種ガイドライン2017 年度版  公益財団法人予防接種リサーチセンター:3, 平成 29(2017)年 
2) 「平成 29 年度インフルエンザ Q&A」 厚生労働省
3)「厚生労働行政推進調査事業費補助金新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業 ワクチンの有効性・安全性 評価とVPD (vaccine preventable diseases)対策への適用に関する分析疫学研究 平成 28 年度総括・分担研究報告書