2019.10.21

コラム

先日、名古屋で開催された日本認知症予防学会学術集会に出席いたしました。学会のテーマは「本人・家族を中心とした認知症予防」。国立健康長寿医療センターや各大学で行われている最先端の研究成果や地域の行政施策として行われている認知症初期集中支援チームのさらなる検討など興味深い話題が盛りだくさんでした。

私は豊島区医師会員として、認知症初期集中支援事業などの豊島区認知症施策に少し関わらせていただいていますが、他地区の取り組みや問題点を知ることができたのは大変勉強になりました。今後の活動にも活かしていくことができそうです。

この学会で特に印象深かったのは睡眠と老化の研究についてでした。動物実験からは、睡眠の質と老化・寿命には関連があり、脳がその重要な役割を担っていることは既に明らかとなっているそうです。研究によると、食餌の質で睡眠の質や寿命までも変わってくるとのこと。これはあくまでも動物実験での結果ですが、同じ哺乳類である人間でも同様の影響がある可能性が示されていました。日々の食生活の大切さを強く感じました。

認知症は糖尿病や高血圧等の生活習慣病との関連性も強いと言われており、その対策は内科医も大いに貢献できる領域です。認知症対策の観点からも今後も生活習慣病治療にじっくり取り組んでいきたいと心に誓った一日でした。